
ちょうどあの曲がはやったころ、店主は生まれました。
曲を聴いたのはおそらく中学生ぐらいのとき、ラジオ放送から流れてきたのだと思います。
澄んだ歌声と独特の歌詞が印象的でした。
喫茶店の歴史を振り返りますと、70年代は黄金期にやや斜陽がかかったところだったでしょうか。
曲の出た70年代前半はまだ元気だったころかと思います。
時期的にはマクドナルド1号店が銀座にできる前かと思います。
学生紛争もひと段落し、大阪万博を終え、高度成長期が新たな岐路に立とうかとしたころ。
町の小さな喫茶店では、会話と音楽が流れていました。
当時はまだ、自家焙煎が流行する前です。
大手ロースターが焙煎した豆で淹れる珈琲の味。
当時の書物を紐解いても、味よりむしろ喫茶店の雰囲気・客層・世相について書かれていることが多く、今となってしまうと言葉通りに受け取るならば浅煎り豆が多く使われていたことと、ネルドリップを中心とした「抽出技術論」が熱く語られたことが多く残されているぐらいです。
コーヒーの香りは文化をより一層際立たせておりました。
時は流れチェーン店の台頭、カフェバー、オープンカフェ、オーナーの趣味に彩られた店などと変遷していきました。
その一角にあるのが自家焙煎珈琲店です。
日本にいながらコーヒーに携われるのは、焙煎からと言われます。
もちろんインターネットや語学を介して市場に関わることや農園と交渉し個人輸入することも可能ではありますが、基本的には商社を通じ輸入されたものを取り扱うことが基本となってきます。
多くの自家焙煎店も商社を通して豆を味見し、気に入ったものを購入し、試行錯誤しながら焙煎し、作った味を守り、ときに進化させます。
近年、エスプレッソ・カプチーノブームに伴い、多くの豆は深煎りになりました。
好みも深煎り一択であると感じることさえありました。
あの時、コーヒーを飲み美味しいといった二人の心は今はもうどこかに行ってしまったのでしょうか。
あのころ主流の珈琲は浅煎り、アメリカンコーヒーとも呼ばれていました。
2014年ごろから流行してきたゲイシャ種の台頭やサードウェイブといわれるブームにより浅煎りに目が向けられてきたこともありますが、まだ浅煎りの需要自体はさほどのものではありません。
一つには酸味という言葉が単なる酸っぱさとして独り歩きし、さわやかさと置き換わる認知が進まなかったのでしょう。
コーヒーにある酸味は明るいさわやかさです。
それ以外は劣化による酸味であって、焙煎から日がたってしまったことによるもの、未成熟な豆や虫食いなどすなわち選別されていないコーヒー豆によるもの。
レモン、オレンジといった味わいに代表される酸味の豊かな味わいを自家焙煎コーヒーでお楽しみいただきたいものです。
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懐かしい「アメリカンコーヒー」の軽さをそのままに、味わいを意識して作りました。
青く澄んだ空のように、とてもさっぱりとしています。
香りがしっかりと口腔から鼻に、オレンジのような甘酸っぱさを残しながら駆け抜けていきます。
コーヒー専門店ならではの味と香り、ぜひお試しください。
およそ30杯分お楽しみいただけます。
・中浅煎り
苦味:★★
酸味:★★★★★
コク:★★★
香り:★★★★
【本商品はクリックポスト限定商品です】
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