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珈琲の木と成長

珈琲の木

 珈琲のアカネ科コフィア属に分類される多年生の喬木である。その中でもコーヒー属は40種余りあるとされるがコーヒーという商品として考えると、アラビカ種・ロブスタ(カネフォラ)種・リベリカ種の3種類に絞られる。
 アラビカ種はエチオピア・アビシニア高原が原産とされ、全世界での生産の70%以上を占める風味・香りに優れている品種である。形状は楕円形に近い。乾燥や霜害・病害虫に弱く各国で品種改良に取り組まれた。かつては珈琲の産地だったスリランカでサビ病という病気のため珈琲が全滅し。以後紅茶栽培へと生産を変えた経緯がある。比較的冷涼な高地で栽培される。
 ロブスタ種はアフリカ・コンゴで発見され、生産量としては30%程度のものである。アラビカ種に比べ病害虫に対して強い特性がある。形状としては丸みを帯びている。高温多湿のなかや低地でも生産されている。風味としては独特の強い香り(ロブ臭とも呼ばれる)と強い苦みがある。主にインスタントコーヒーや缶コーヒーなどに利用される。種としての名称はカネフォラ種である。
 リベリカ種は西アフリカ・リベリア原産。低地でも高地でも、多湿でも乾燥帯でも順応するのだが病気に弱くアラビカ種と比べると味覚も落ちることからわずかに西アフリカの一部でしか栽培されていない。日本国内での流通もない。

コーヒーの広がりとアラビカ種

 コーヒーノキ属の主要品種であるアラビカ種の特徴として、自家受粉ができることがあげられる。自家受粉とは、花粉が同じ個体(同じ木・株)にあるめしべについて受粉することだ。
 自家受粉できれば受粉が確実で子孫を残しやすい反面、遺伝的多様性が失われるので急な環境変化があれば絶滅の危機もありうる。一方自家受粉不能の場合、遺伝的多様性は確保しやすいものの子孫を残す上では確実性が劣る。
 珈琲の歴史を見るなかでクリュー、パリヘタの例からもわずかの種子や苗木があるだけで新しい土地にコーヒーノキを移植して増やしていったことが可能であったことが明らかだ。この特性があったことで今日私たちがコーヒーを楽しむことができている理由になっていることは間違いがない。

コーヒーベルト

  世界に60余りのコーヒー生産国があるが、そのほとんどが赤道を中心に南北緯25度(南北回帰線までという言い方もある)に集中している。この一帯をコーヒーベルトまたはコーヒーゾーンと呼んでいる。コーヒーの栽培には超えた水はけのよい土、年間1200~1300㎜程度の降水量、適度な日陰、冷気があること、霜が降りないことなどが必要である。

コーヒーチェリーの構造

 コーヒーの熟した実のことをコーヒーチェリーと呼ぶ。チェリーは固い外皮に囲まれた果肉と、その中に包まれた内果皮(パーチメント)があり、さらにその中に銀皮(シルバースキン)に包まれた種子が2つ向かい合って入っている。この種子がコーヒー豆(生豆)と呼ばれている。

コーヒーの栽培

 1.育苗から移植
    コーヒーの種はコーヒパーチメントのついた状態で苗床に播く。
    40~60日ぐらいで発芽し、さらに6カ月ほど20~60㎝ほどに育つと広い農園に植え替えられる。
 2.花と実
    コーヒーの木は順調にいけば2~3年でジャスミンのような香りのする白い花をつける。
    花は2~3日しか持たず、その間に受粉する。
    受粉後数カ月で実をつけ始め、6~8か月すると真っ赤(ものによっては黄色)に熟するようになる。
    一般的にコーヒーの木は20~30年生産できるが、なかには80年以上も生きる木もある。
 3.収穫
    コーヒーチェリーは熟したものだけを選びながら丁寧に摘み取ることが理想とされる。
    風味に影響を及ぼす未熟チェリーを淹れないようにすることが重要だ。
    ブラジルなどの広大な農園では棒で叩き落としたり、収穫機械を導入しているところもある。
    コーヒーの収穫は産地によって時期も回数も様々で、年1,2回のところから3,4回のところもある。

コーヒーノキにカフェインがある理由

 コーヒーノキの新芽には高濃度のカフェインが含まれているという。エチオピア西南部の一部ではコーヒーノキの葉をお茶のようにして飲む習慣がある。新芽に含まれるカフェインは葉の成長につれて減少する。
 カフェインには他の植物の成長を阻害する作用があり、地面に種子が落ちるとカフェインを豊富に含む種子からカフェインが溶け出し周りの土壌に広がることにより自身(コーヒーノキ)だけが有利に成長できるから、といわれている。すべての動植物に対して有効なわけではないが、ナメクジ、カタツムリなどの虫に対して身を守る作用がある。